U.C.L.A.に行ってきました。

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UCLA DMAの学部生たち。真剣です!

2月、家族3人でカルフォルニア大学L.A.校に行ってきました!
夫(岩井俊雄)の招待に動いてくださったのが過日作品についてコメントを下さった、フィンランド人の先生でしたが、その方と交流を重ねたこともあり、私も講師として学部生のワークショップに参加することに。

学生たちは、芸術学科のDesign Media Arts 専攻。
お題は「イノベーティブな子供の本をつくろう!」でした。
岩井俊雄とのダブル講師です。
WSの内容も決まっていなかった時には、版画の技法を説明するくらいでいいか?と思っていたものの、考えるうちに自分が今情熱を持ってやっていることを学生に見てもらおう!という思いが湧いてきて、製作中の「くろいの」のラフと、原画を持って行きました。

ワークショップは全部で3回。一回目で私と岩井の作品紹介、2回目がその場で作るワークショップと課題出し、3回目が学生の課題プレゼンでした。
私の主な出番だった1回目の作品・作家紹介は、なんと、ぶっ続けで90分かかりました!3時間授業で助かりました。

まずは日本語で「トマトさん」の読み聞かせをしました。読む前に、「オノマトペをこだわって書いたので、音を楽しんでくださいね」という前置きを。これは英語で翻訳しながらだと辿々しくなってしまうので、まずは普通の読み聞かせがどんなものか知ってもらう意味も込めて行いました。

学生の反応がいいので、結局のところ「おきにいり」「ウルサニギヤカ」「シーッ!」も英訳しながら読みました。
絵本を紹介しながら、銅版画の技法説明も。実際に銅版を持参して、制作方法の説明をしました。銅版画にはいくつもの技法があるので、そのしくみを説明。これは、「メディアアーツ」の分野が技法や技術に重きをおいていることとのつながりを感じてのことです。

最後に、今制作中の「くろいの」のラフを読み聞かせ(その場で英訳)、原画を見せながら作品の背景などを話しました。
その読み聞かせなのですが、やはり私自身の思い入れが伝わったのか、学生もとても熱心に聞き入ってくれました。レクチャーのあと、「新しい本が出たら買いたいです!」と何人もの学生が言ってくれて、内心「よっしゃ!」というところ(笑)
あとで録音を聴いたところ、超スローな語りでしたが。

学生の頃、臨時講師の池田満寿夫さんの授業を受け、作品の内容はもとより人柄や、情熱に圧倒されたことを思い起こして、できるだけ作品や作家活動への愛を伝えようと思った結果でありました。

新作を製作しています。

今制作中の絵本作品について、そろそろ予定も決まってきたので、言及し始めました! インスタグラム、Webインタビュー、MOEのアンケート記事などで徐々に、様子をお伝えしています。

以前から温めて居たキャラクター、「くろいの」が、ある女の子の日常にひょっこりまぎれ込み、壁の向こうならぬ、天井裏の上の世界に誘う。。というお話です。

子供の頃は、天井裏にコトコトコト、と足音が響くことがありました。天井って薄くて、とても身近に聞こえるのに、その向こうは想像するしかない世界。(子供でしたから。今なら、自分で掃除しなければならないでしょうけど!)
また夜の闇など、自分が普段行けない場所がふんだんにありました。日常にたいくつしたり、ちょっと辛かったりしたとき、そんな知らない世界に思いを馳せて遊ぶことがよくありました。

本の世界も、そうだと思います。ちょっと行ってきて、ドキドキして、心を新たに帰ってこれる場所。だから私は、絵本をつくるとき、その中をできるだけ広くしたいと思い、他の絵本とは違うこと=バリエーションを造っていくこと、に興味を持っています。

「くろいの」の絵本を作り始めたのは、娘が2歳のとき。それから保育園を利用し始めて、今娘は年中さんですが、本の完成は来年になります。保育園の4年間をほぼ捧げるかたちになった作品です。というのも、今回の原画はモノクロの銅版画。本当は1枚に1ヶ月もかかるような技法なので、最短でも2週間(10日間)仕上げ。途中で何度も、「こんなことしてて何になるのかなア」「本当に読者を喜ばせることができるのか」と思いましたが(笑)とにかくひとつ、成し遂げなければ次に行けないと思い、今のベストを尽くしています。

くろいの
くろいの 制作中です!

妖怪メモリーカード

イタリア・ヴェネト州でこの秋行われている、“Le immagini della Fantasia” (サルメデ絵本原画展)に合わせ発刊された、「妖怪メモリーカード」にイラスト2点提供させていただきました。ローマにあるELSEというシルクスクリーン工房で、丁寧に作られた逸品です!写真はELSE工房より。まだ実物を見て居ませんが、日本に届くのが楽しみです。私は、カッパと子泣き爺を担当。
参加作家(敬称略)/降矢奈々、山本久美子、むらかみひとみ、Kotimi 、つるたにこうき、田中清代

インスタ始めました

近況です。
少し前から、インスタグラムを始めました。製作中の作品画像などを中心にアップしています。
https://www.instagram.com/kiyotanaka_pbart/

今製作中の絵本が来年の秋に出版されることになり、同時に東京、湯河原で個展もすることになりました。
久しぶりの絵本出版と展覧会なので、すこしづつ周知をできたらいいなと!

今年は、福音館書店こどものとも年少版9月号の折り込みに「私の子供時代」というエッセイの掲載、母の友11月号に1日1話の短編「さすらいのブン」の書き下ろし。
それから、イタリア サルメデという町の絵本原画展の企画で、「妖怪メモリーカード」にイラスト提供をしました。
絵本制作のスケジュールがきつく、ウェブ更新にまだまだ手がまわりませんが(汗)、まずは、インスタとフェイスブック(田中清代ページもつくったばかり)などでご報告しています。

「みつけたよ さわったよ にわのむし」が単行本になりました

みつけたよ さわったよ にわのむし
みつけたよ さわったよ にわのむし

2007年の「かがくのとも」で出版された「みつけたよ さわったよ にわのむし」(澤口たまみ 文 田中清代 絵)が、今年春に単行本化され、書店で扱われるようになりました。
身近だけれど、ちょっと人気がないかも?と思う虫たちを愛情を込めて描いた絵本です。
澤口たまみさんの軽妙なストーリーで、読聞かせでは子どもたちが乗り出してきて、とても盛り上がりますよ!

我が家ではこの絵本にも出てくる「ゲジ」が時々出没するのですが、
益虫としてそっとしておくようにしています。

手から手へ〜絵本作家から子どもたちへ 3.11後のメッセージ

田中も出展している展示の東京展が開催中です。

「FROM HAND TO HAND 手から手へ」

2013年5月22日(水)~8月4日(日)
10:00ー17:00 月曜日休館(祝日は開館、翌平日休館)

ちひろ美術館 東京
03-3995-0612

東京都練馬区下石神井4-7-2

”手から手へ”展は、子どもの本に関わる日本の絵本作家たちが、「3.11後の世界から私たちの未来を考える」というテーマで世界の仲間たちに呼びかけて、作品を募った展覧会です。日本、スロヴァキア、そしてヨーロッパ諸国からの有志56名が参加し、震災から一年後の2012年3月、イタリアのボローニャで最初の展覧会が開催されました。その後、ブラティスラヴァ、ワルシャワ、アムステルダム、コペンハーゲンを駆け巡り、世界の人々に、作家たちの想いを届けてきました。その展覧会が、日本で開催されます。

この夏、3つの原画展

この夏、3つの原画展/絵本展に出展することになりましたので、お知らせします。

ブラティスラヴァ世界絵本原画展―広がる絵本のかたち
2012年7月14日(土)~9月2日(日)
うらわ美術館ギャラリーA・B・C
http://www.uam.urawa.saitama.jp/
田中=「気のいい火山弾」原画

第27回現代絵本作家原画展「絵本の中のどうぶつたち」
24年7月6日(金曜日)から8月19日(日曜日)
※月曜日休館
東広島市立美術館
http://www.city.higashihiroshima.hiroshima.jp/
http://www.city.higashihiroshima.hiroshima.jp/soshiki/61/jikaitennrannkaiyokoku.html
田中=「ねえ だっこして」「みずたまのチワワ」「長ぐつをはいたネコ」原画

おいでよ!絵本ミュージアム2012~未来へGO~
7月25日(水)~8月25日(火)
福岡アジア美術館
http://www.kodomo-abc.org/ehonmuseum2012/index.html
田中=巨大な立体トマトさんが出現します!壁面の大きなグラフィク(立体トマトさんの背景画)の原画を描きおろします。「トマトさんの観察日記」も展示予定。7/26にはワークショップ(定員20組、有料、要申し込み)も。

このうち、実際に会場でイベント等出演とWSをするのは福岡の「絵本ミュージアム」のみになります。
興味をもたれた方は、HP等見て頂ければ嬉しいです。

COMITIA 100に出展します

会議机半分の大きさの売り場です。
会議机半分の大きさの売り場です。

5月5日、東京ビッグサイトで開催される「COMITIA100」(創作同人誌即売会。形式や雰囲気はコミケと似ているイベント)に出展します。10年(15年?)以上ぶりですが、以前、このイベントのカタログ「TIA’S MAGAZINE」に表紙絵を描いた人ということで、100回記念の特別企画で招待を頂きました。私は高校生〜大学生のころに参加していました。

写真は、家で当日の机をシミュレーションしてみました。(旧作ばかりなのが情ない!)一応新刊「クロロとパタタ」を作りました。40Pの絵本です。以前没になった絵コンテをもとに、全ページラフな鉛筆画で描きおろしたものです。印刷所に発注するのも久しぶりで緊張しましたが、なんとか間に合いました。
この黒いキャラクターは出版社からいつかお目見えできるよう、永いこと温めており、そちらはまた全く違う形になると思います。

同人誌を作っていた頃は、当日に本を持っていくことだけで精一杯でしたので、こんな風にディスプレイの準備をするのは初めてです! どんな方が本やポストカードを手に取ってくれるのか、楽しみです。

新しい「長ぐつをはいたネコ」ができました!

「長ぐつをはいたネコ」ブロンズ新社より。
「長ぐつをはいたネコ」ブロンズ新社より。

新刊の絵本のお知らせです!!
「長ぐつをはいたネコ」
2012年12月配本
石津ちひろ 抄訳/田中清代 絵/シャルル・ペロー 原作
ブロンズ新社  A4版 32ページ 1500円

おなじみの名作「長ぐつをはいたネコ」が新たな解釈で絵本になりました!

……貧しい粉屋の息子が、亡くなったお父さんから引き継いだのは、たった一匹のネコ。がっかりした息子でしたが……
ちょっと生意気なネコと、素直な息子のコンビネーションで、びっくりするような運命を切りひらいていきます。音のリズムや調子が工夫された文章で、楽しく読み聞かせができます。どんどん変わる場面、つぎつぎに起こるありえない(!)事件を、この絵本で楽しんで頂けたら嬉しいです。

この絵本の制作にあたって、私の工夫したところは、石津ちひろさんの軽妙な演出を最大限に活かすためにどんな絵を描くかということでした。
名作ということもあり、いままでの「長ぐつ」とは違うイメージの絵本にしたいと思いました。

まず、この絵本の演出として、とてもコミカルなお話の各場面において、一目で面白味が伝わるようにしました。「絵でおかしみを伝える」という考えを柱に、”この場面では粉屋の息子はどんな表情をしているだろう?”とか、”ネコの性格をよく表す姿ってどんなかな?”とか、”この場面は一枚の絵だけれど、次に起こることを想像して笑えるようにしたいなあ” など、いろいろと考えました。

「マッシュポテトみたいに、つぶしてやるからな!」
「マッシュポテトみたいに、つぶしてしまうからな!」思い切った構図、色彩に挑戦しました

また、原画を作る段階では、私としては初めて、Macを使ってデータ入稿に挑戦しました。コンピューターを使っても私らしさを出せるように、普段版画に使っている和紙をスキャンして使用したり、木版画やリトグラフの色版をイメージして色をつけたりしました。

主線は紙に鉛筆で描いてスキャンしました。そのあと、Photoshopを使用して色をつけました。いつもの紙の原画では水彩絵具などでじかに塗るのですが、コンピューターを使った場合、失敗を恐れる気持ちが少なく、色選びを普段よりも大胆にできたので、他の私の絵本よりも色があざやかになっています。色の印象の違いを感じてもらえたら嬉しいです。

制作しながら、古典を絵本化する難しさと同時に面白さを感じたことがあります。麦畑の資料を探していたときの事です。ブリューゲルの絵に麦畑の絵があったのですが、見渡すかぎりの広大な畑が、金色の麦のふとんで覆われているように見えました。その麦のぎっしりと大地をおおう様子が「豊かさ」を象徴しているなあとしみじみと伝わってきたのです。この絵本でも、時代を超えた感覚を絵で伝えたいなと思いながら作りました。

……などなど、いろいろな過程を楽しんで作った絵本です。

書店で見かけたら、ぜひ手に取って、見てみて下さい!!

「長ぐつをはいたネコ」をamazon.co.jpで見る!

ブロンズ新社

高村光太郎の詩集に絵を描きました!

高村光太郎
智恵子の切り絵をイメージした表紙

2011年10月に出版されたを高村光太郎の詩集をご紹介します。

「日本語を味わう名詩入門8 高村光太郎」
萩原昌好 編
田中清代 画
あすなろ書房
1500円

この詩集は、小学校高学年から大人までを対象に編纂されたあすなろ書房の「日本語を味わう名詩入門」というシリーズの一冊です。これまでに宮沢賢治、金子みすゞなどが出版されていて、それぞれに違う画家が挿絵を描いています。私はその8冊目「高村光太郎」の挿絵を担当しました。

この本には、光太郎の初期から晩年まで25篇の詩が掲載されていて、一篇の詩ごとに、文学研究者の萩原昌好さんの解説文がついています。挿絵は全部で25点描き下ろしました。

私は今回、挿絵だけでなく、掲載する詩を選ぶのにも参加させてもらいました。
実は私は大学生のころ、高村光太郎の詩が好きで、一人で音読をしたりしていました。それで特に光太郎の詩には思い入れがあったのです。

最初候補になかったもので、私が推薦して入れてもらったのは、「火星が出ている」「人類の泉」「手紙に添えて」など、光太郎の文学者というよりは彫刻家/芸術家としてのものの見方や生き方を表した詩です。子どもたちに、人生の含蓄ばかりでなく、光太郎の若々しい情熱や反骨心に共感してもらいたいという気持ちがあります。

中の挿絵は鉛筆画を深緑色のインクで刷ってもらいました。少しクリーム色のあたたかみのある書籍用紙で、めくっていて気持ちがいい感じの仕上がりになったと思います。表紙は光太郎の妻で画家でもある、智恵子が晩年病床で夢中になったという切り絵に触発されて、私も初めて切り絵に挑戦してみました。

少しストイックな、でも人間味にあふれた高村光太郎の詩に子どもたちが初めてふれる本として、ふさわしいものになっているといいなと思います。

「火星が出ている」の見開きページ
「火星が出ている」の見開きページ



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あすなろ書房のHP