田中清代 個展情報まとめ

くろいの
田中清代 新作絵本原画展

2018年10月5日(金)~10月14日(日)

営業時間:平日 13:00~20:00
土日祝 13:00~19:00
(最終日は17:00まで)

休業日/水・木 


10月11日に刊行される「くろいの」(偕成社)の銅版画による絵本原画を展示する他、原画と同じ版による版画エディションや小品、ポストカード等を販売します。
田中清代による繊細で温かなモノクロームの世界。
「くろいの」は書店に先駆けて先行販売となります!


作家在廊予定:

13日は15時30分頃~19時
14日は13時〜17時

6日(土)17:00~18:00 作家トーク&ウクレレミニコンサート (無料)

会場:

ブックギャラリー ポポタム


171-0021
東京都豊島区西池袋2-15-17
03-5952-0114(電話のみ)
メール: popotame@kiwi.ne.jp 
URL:   http://popotame.net
***

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「好書好日」にインタビュー記事が掲載されました。

朝日新聞社の「好書好日」という「本」がテーマのサイトの、「えほん新定番」というコーナー内に、私のインタビュー記事が掲載されました。

あなたみたいな人が、ここにもいるよ

田中清代さん「トマトさん」

定番絵本といえば、60年代以前の古いものが多く残っている今日。
新しい世代の作家が描いた「新定番」を紹介していくという企画だそうです。
なかなか、切り込んだお話を聞き出してくれまして、いいインタビューになっています!写真も良いですよ。

インク練り

「くろいの」制作の様子を振り返ってみたいと思います。

2018年の3月ごろ。インク練りをしました。私の絵は銅版画としては線が軽めなので、黒の強い濃いインクで刷らないと、全体が薄くなってしまいます。
実は、大学での恩師、深澤幸雄さんのオリジナルインクを使って出来上がった私の画風。卒業後しばらくしてインクのストックがなくなった時に、市販のインクでは同じにならない!ということに気がつきました。(遅いですね!)

一時はそれでも良いか、と思いましたが、やはり「深澤インク」を使って原点に戻ろう、と思ったのが、2009年出版の「うおいちば」の原画制作のとき。市販のインクだと、さらっと綺麗に刷れてしまうのが、深澤インクだと線が太く、にじみが強いんです。この、もっさりした線の感じがやっぱり好き。ということで、今回も作り置きが切れたので、原画制作で忙しくなる前にインクを練りました。

インク練りの写真
お菓子の缶をウオーマー(中に電熱器が入っている)の上に乗せて使います。

顔料の粉を使うので、結構周りが汚れます。手袋とマスクで重装備。
ウオーマーの上の缶に、材料を入れてひたすら混ぜるだけ!滑らかになるまで、20分くらい混ぜました。

インク練りの材料
使う材料は、「ダイヤモンドブラック」という顔料、オフセット用の墨、銅版画インク。写っている缶は墨の方です。
インクの写真
ひたすら混ぜます!

出来上がったら、使用済みの版画インクの缶に詰め、蓋をする前に表面にトレーシングペーパーをラップ。(普通のラップよりトレペの方がなぜか持ちがよい。油が染み込むからかも。)食品用の脱気袋にしまい、道具をきれいにして作業完了です。

インクは空気(酸素)と反応して固まります。汚れたものをそのままにしておくと、数日後にはインクが固化して落ちなくなってしまいます。片付け、掃除は大切な作業過程なのです!

インクができて一安心。インクが少なくて余分を乗せられないと、版に傷がついてしまったり、いろいろと都合が悪いのです。これで心置き無く刷れるようになりました。
3月の時点では、一通りO.K.レベルまで版を作ってありましたが、仕上げと本番の刷りはこれから、というところでした。

「くろいの」校正の最終チェック

10月に刊行される「くろいの」の校正作業が一段落しました。印刷会社のプリンティングディレクターさんと、2度に渡り綿密な打ち合わせと指定を積み重ねた結果、満足のいく校正を出していただくことが出来ました。次はいよいよ、印刷・製本です。
この本の校正は、最初AMスクリーンで進めていたものを途中からFMに変更。スケジュールが厳しかったにも関わらず、柔軟に対応し、きっちり指定を反映してくださっている印刷会社さん、プリンティングディレクターさんには本当に感謝です。
今日は編集者さんと二人で最終チェック。大きな問題もなく、今のところですが、ホッと一安心です。

前回の打ち合わせでは、朝一で始めたのに午後1時までかかってしまうなど、腹ペコ作業の多かった「くろいの」。
今回は12時きっかりに終わって少しお茶を飲む余裕もありました。ああ、良かった……。(笑)

 

kuroino_koryo1
熱海のカフェにて。左手前側が原画です。
kuroino_koryo2
前回の校正と今回のものを見比べています。

「くろいの」原画制作終了〜

……という記事をもっと早く書きたかったんです!
締め切りが6月末でしたのに、結局全ての絵を渡せたのは、7月も半ばでした。私にしては、上々の守り具合なんですが(苦笑)
今回は、「1週間でも遅れたら、個展に本が間に合いません」と言われておりました。そんなことで、原画を渡した後の校正を今みんなできつきつのスケジュールで頑張るはめになってしまい……、校了目前にしてようやくブログ更新と相成りました。毎度のことながら、申し訳ないです。

原画を渡す前に、机に並べて写真を撮ってみました。アトリエの様子も見られますでしょうか。
個展にむけて、制作の様子などもアップしていきたいと思います!

原画を机いっぱいに並べたところ。
窓辺にプレス機があります。
編集者さんと「黒いページ」と読んでいる中盤のシーン。

出会い

先日下北沢にて、多摩美学生の作品展の会場ちかくに見つけた「うさぎの絵本」というカフェに行きました。
友人たちと会う予定だったのです。子連れだったので、子供が退屈しないで遊べそうなカフェを見つけた!という軽い気持ちで伺ったのですが、壁に設置された絵本の棚に、「トマトさん」がどーんと置いてありました。
嬉しくなった私は折りをみて、オーナーらしき方に作者と名乗りました。
そうしたら!! 予想以上に喜んでくださって、私もびっくり。
加えて、サイト更新とツイッターが滞っていることで、体調を崩したのかと心配してくださっていたとか…。
本にサインをさせていただいて、お土産まで頂いてしまいました☆
こんな偶然の出会いってあるんだなあ〜〜 と。
とても感慨深く、嬉しい出来事でした。

と同時にウェブに関しては、読者のみなさまに対して無頓着をしてしまっているのだなあと反省しきりです。

改めて自分のブログを見返してみると、なるほど、出産のことを全く書いていませんでした。
2012年10月に第一子、娘を出産しまして、1年半ほど絵本の仕事をお休みしていました。
2014年〜保育園に娘を預けて、仕事を再開。今は、作絵の絵本を製作中です。

子育てで心境が変化したまま、仕事を再開してもサイトの方に気持ちが向いていませんでしたが、
新しい絵本の完成に向けて、ウェブ上でも徐々に情報、近況等をアップしていこうと考えております。
どうぞよろしくお願い致します。

「気のいい火山弾」の原画が展示されます。

「気のいい火山弾」のサイン
「気のいい火山弾」のサイン

4月15日から、八ヶ岳小さな絵本美術館で「10人の絵本作家が描く宮沢賢治展」が始まります。
私は「気のいい火山弾」の原画を出品しています。

とても良い雰囲気の美術館で、以前から展示できたらなあと思っていた場所です。嬉しいです。
会場で販売される絵本30冊にサインをしました。
下の方の黒いのは火山弾ですが、これはハンコ屋さんに注文して作ったゴム版です。
真っ黒のようですが、うっすら顔が見えるようになっています。

「気のいい火山弾」の原画は毎度のことですが、銅版画雁皮刷り+がっつりの手彩色で制作しました。
登場する岩たちと、銅版画のタッチの相性が良かったと思います。インクの質感や、生成り色の紙のうえに白や浅葱の絵の具をのせているところが、原画でみるとより味わいがあると思います。

私の楽しみは、小さな絵本美術館のコレクションを観られること。フェリクス・ホフマンの銅版画が見られるといいなあ〜。

無意識にやっていたこと

先日、美大などで教えている、フィンランド出身の評論家の方に
絵本の感想を伺う機会がありました。

曰く、私の絵本は…
”本の画面を見開き・断ち切りでいっぱいに使っており
なおかつモチーフをはみ出させることで
キャラクターを近くに感じたり、
ページの外にイメージがひろがっていくようになって
感情表現や躍動感がより強くできたりしているんだね!
映画的手法(が効果的)ですね!”

とお褒めいただきました。
なるほど〜!
実は無意識にやっていたことなのですが、
改めてそう言われると、たしかに頷けるのでした。

今作っている本は、絵の外に余白を入れていて
これまた、ちょっと違うのですが
意識してやってみたらまた、
違う世界が見えるのかもしれないな…と思いました。

宮沢賢治絵本の打ち上げ

昨晩は飯野和好さんの個展会期(開催中〜13日まで、青山/ピンポイントギャラリー)に合わせ、今年の3冊の宮沢賢治絵本に携わったイラストレーター(飯野和好さん、大畑いくのさんと私)と編集者、それに印刷の営業担当者さんとで打ち上げがありました。このシリーズは編集者担当者が二人組なのですが、それでも入稿、校了時にはとっても忙しそうでした!(他のお仕事も掛け持ちされている方々であるということもありますが。)

こういう時に愉しいのは、最近の仕事の話もさることながら、子供の頃の記憶や駆け出しの頃の経験の話。最年長だった飯野さんのお話、いろいろな仕事で活躍中の編集者、松田素子さんの出版社での経験など。長い時間を経過してくると、いろんな違う状況があって、「今」にとらわれそうな時に別の可能性を発想できるのだなと思いました。

大畑いくのさんは、すばらしい画力があって、すでに貫禄を感じるくらいなのですけれど、絵本の仕事ではまだ新人とのことでびっくり。今回の絵本「土神ときつね」はすごい迫力があります。

飯野和好さんは、私は子供の頃から教材などで拝見していて、それから時代劇ものを描かれるようになって面白いなあと思っていたのですが、初めてご覧になったお芝居が旅芝居や歌舞伎(村歌舞伎かな?)だったとか。納得しました。子供の頃の環境が違うからこそいろんな作品が出て来るんですね。「山男の四月」では、ふるさとの山での体験もイメージされたということです。

印刷会社の方も、編集者や画家と現場の技術者との橋渡しの大切なことや難しさなどをお話くださいました。

「気のいい火山弾」では、もともと墨汁と黒インクしか使用していない灰色の「ベゴ石」を、色ぶれせずに印刷するために特別な加工をしています。そのおかげで、最終的な演出が出来たのがとても良かったです。

普段なかなか話せない実際の仕事の進行の外にあることを、こういう機会においしいものを頂きながら話せるのは愉しい!作品のアイデアだとか、これからの仕事や生き方のことまで、いろいろと考えをめぐらせる一夜となりました。

大阪にて

もう何日も経ってしまいましたが、大阪の「大阪府子ども文庫連絡会」へ講演をさせてもらいに、行ってきました。講演は今月14日でした。
前日の打ち合わせに参加してびっくり。10年以上前に開催した、「ものがたりをつくる・絵をかく」展(にしむらあつこ、市居みか、田中清代3人展)を観て下さった方がいらしたので…。そして今回コーディネーター役をして下さった方は「おきにいり」と「みつこととかげ」がちょうどお子さんが小さい時に読まれた本ということで、ずっと気に入って下さっているとのお話。うーんなんかすごい、と思ってしまいました。
私自身、一つの作品を作ったら終わりではなく、ずっと一緒に居るという感覚なのですが、(それで、未出版の本を出すのも、ついのんびりしてしまうのです)読者の方に絵本をずっと読んでもらえるか、ということは、時間が経ってみないと分からないことでした。ですから、ほとんど品切れ状態だった「おきにいり」や、今絶版の「みつこととかげ」に対する愛着を伺って、講演の内容も主に「おきにいり」と「みつこととかげ」に絞って、私の絵本づくりについてお話をしました。

実は、「おきにいり」は今月末に増刷され、書店注文が可能になります。「みつこととかげ」は来年2月から7月までの限定販売の予定がほぼ決まりました。
うれしいことです。

講演の後半は、「BLUE BOOK GROUP展」の報告と、私の社会に対する思いのようなものをお話しました。これもリクエストを頂いたからです。自分よりも年上の方が多いのに、平和とかなんだか重たいお話をするのは恥ずかしいような気もしますが、しゃべりだすと駄目です。若気の至りとおゆるし頂ければいいなと。

これは私がうっかりしていたのですが、実はその講演会の会場が大阪府立図書館でした。そこに以前ワークショップでお世話になった大阪国際児童文学館が、同じ建物に引っ越しされていました。帰るまえに短い時間でしたが、見学をさせてもらいました。もとの建物では折角専用の立派なホールがあったのに、少し殺風景な環境に置かれているのは少し残念だなあと思いましたが、縮小はされているものの、しばらくは今までどおりの活動をされるとのことです。「日産絵本と童話のグランプリ」も維持されるそうです。
皆さんと会って話しているうちに、昔からの友達に会ってるような気がしてきて、もっと遅い時間に指定席を取れば良かったと後悔。今回も前後に気がかりな仕事があって、新幹線に飛び乗ってしまったけれども、次回こそは、今回もお世話になった皆さんに、事前に連絡をとりたいなあと思ったのでした。