個展「気のいい火山弾」

明日から、「気のいい火山弾」の展示が始まります。

原画も展示していますが、原画展というよりは、原画に使用した銅版画がメイン、となっています。今回は「ベゴ石」と呼ばれる火山弾が主役で、絵本の見開きサイズなので久々に絵が大きく、見応えがある展示になったと思います。

絵本のテキストも、順番前後しつつもカベに張り付け、ちょっと不思議な雰囲気です。

個展は毎回、有料でカベを借りるという形式ではなく、美術作家の企画展というかたちでやっているため、実は売り上げもかなり重視しています。今回はまず新刊の本「気のいい火山弾」70冊にサインを入れて。それから、原画に使用した銅版画を刷ったものを販売します。原画と同様に彩色した絵もあります。プラス、小作品では今回、絵本の出版記念の「特製版画」として、ポストカードサイズの版画3種を他の作品とくらべ約70%オフとなる3500円、4000円で販売します。

これらの工夫は、通常私の個展には美術コレクターさんがほとんどいらっしゃらないことから、一般の方にコレクションに興味をもってもらえるようにとの挑戦です。ちなみに「特製版画」3種大人買いセットがあって(笑)サインのところに入っている限定部数番号の1、2、3、5、7をそろえてあり、1セット1万円になります。

私としては、絵本の絵の次に気に入っているのが新作の小作品です。これは5点あって、2点は「気のいい火山弾」からのイメージ、3点は以前から作りたいと思っていた半抽象画です。抽象は絵本の印税で悠々自適になったら制作しよう…と真面目に数年前までは考えておりました。しかし先日、「まどみちお えてん」を見て考えが変わりました。やっぱりやりたいことを今やってしまおう、と。これから毎回2〜3点づつでも、発表し続けられたらいいな、と思っています。

宮沢賢治絵本の打ち上げ

昨晩は飯野和好さんの個展会期(開催中〜13日まで、青山/ピンポイントギャラリー)に合わせ、今年の3冊の宮沢賢治絵本に携わったイラストレーター(飯野和好さん、大畑いくのさんと私)と編集者、それに印刷の営業担当者さんとで打ち上げがありました。このシリーズは編集者担当者が二人組なのですが、それでも入稿、校了時にはとっても忙しそうでした!(他のお仕事も掛け持ちされている方々であるということもありますが。)

こういう時に愉しいのは、最近の仕事の話もさることながら、子供の頃の記憶や駆け出しの頃の経験の話。最年長だった飯野さんのお話、いろいろな仕事で活躍中の編集者、松田素子さんの出版社での経験など。長い時間を経過してくると、いろんな違う状況があって、「今」にとらわれそうな時に別の可能性を発想できるのだなと思いました。

大畑いくのさんは、すばらしい画力があって、すでに貫禄を感じるくらいなのですけれど、絵本の仕事ではまだ新人とのことでびっくり。今回の絵本「土神ときつね」はすごい迫力があります。

飯野和好さんは、私は子供の頃から教材などで拝見していて、それから時代劇ものを描かれるようになって面白いなあと思っていたのですが、初めてご覧になったお芝居が旅芝居や歌舞伎(村歌舞伎かな?)だったとか。納得しました。子供の頃の環境が違うからこそいろんな作品が出て来るんですね。「山男の四月」では、ふるさとの山での体験もイメージされたということです。

印刷会社の方も、編集者や画家と現場の技術者との橋渡しの大切なことや難しさなどをお話くださいました。

「気のいい火山弾」では、もともと墨汁と黒インクしか使用していない灰色の「ベゴ石」を、色ぶれせずに印刷するために特別な加工をしています。そのおかげで、最終的な演出が出来たのがとても良かったです。

普段なかなか話せない実際の仕事の進行の外にあることを、こういう機会においしいものを頂きながら話せるのは愉しい!作品のアイデアだとか、これからの仕事や生き方のことまで、いろいろと考えをめぐらせる一夜となりました。